骨粗鬆症
骨粗鬆症
骨強度の低下によって、骨折のリスクが高くなる骨の障害を「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」といいます。加齢や薬の副作用、様々な疾患に併存することなどによって発症します。
骨粗鬆症により骨が脆くなると、転んで手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折(脆弱性骨折)してしまうことがあり、骨折を契機に日常生活能力が低下していく可能性があります。そのため、骨粗鬆症の治療の目的は骨密度を改善させ、骨折を防ぐことにあります。食事療法、運動療法、薬物療法を並行して行い、骨密度を高めましょう。
また、女性ホルモンの低下とかかわりが深いため、40代以降の女性では早めの骨密度検査をお勧めします。
腰痛で受診した際に、骨粗鬆症と診断されることも少なくありません。
また、骨粗鬆症になっても、痛みがない場合があります。
骨粗鬆症は、元気なうちから徐々に進行していくため、自覚症状がなくても、予防と早期発見に努めていく必要があります。
骨粗鬆症に関する質問があります。
気になっている症状に関すること以外にも、閉経時期や病歴、食事や運動、生活習慣に関すること
などをお伺いします。
骨密度とは骨の強さを判定するための指標で、骨密度検査では骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。
DXA法、超音波法、MD法などの検査方法を用います。
いずれも、横になったり、座ったり、装置に手を置くだけで測定ができるので、難しい検査ではありません。当院は全身型の骨密度検査装置(DXA法)を備えており、骨粗鬆症の診断基準に則ったより正確な骨粗鬆症の診断を行うことができます。
主に背骨のX線写真を撮り、骨折や変形の有無、骨がスカスカになっていないかなどを確認します。
骨粗鬆症と他の病気を区別するためにも必要な検査です。
若いときの身長と比べてどれくらい縮んでいるかを検査します。
骨粗鬆症に伴う脊椎脆弱性骨折を起こすと身長の低下を来すことがあります。脊椎脆弱性骨折はご本人が気づかないうちに発症(いつのまにか骨折)していることもありますので、身長の低下があるときには骨粗鬆症の詳しい検査を受けられることをお勧めします。
骨代謝マーカーという検査で、骨の新陳代謝の状態を知ることができます。
骨粗鬆症の治療は、骨密度を改善し骨折を防ぐ目的があります。
骨粗鬆症は、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。
そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが大切です。
骨を作る材料となるカルシウム、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨の生成に重要なビタミンKなどを摂取する必要があります。
カルシウムは、1日に牛乳コップ3杯が必要とされています。
カルシウムを多く含む食材は、牛乳、チーズ、しらす、干しエビなどがあります。
ビタミンDは若いうちは日光を浴びることで、体内で生成できます。しかし、加齢が進むとそれができなくなるため、椎茸、煮干し、いわしなどの食材や、サプリや薬で補充することが必要です。
ビタミンKを多く含む食材には、納豆、しそ、抹茶などが挙げられます。
バランスよく摂取することが勧められています。
運動で身体に負担をかけることで、骨は徐々に丈夫になっていきます。
また、筋肉を鍛えることで身体を支える機能が上がるため、転倒の防止にもなります。
激しい運動は必要ないので、ウォーキングやヨガなどの軽度〜中程度の運動が効果的です。
また適度に日光に当たることで、骨の形成に必要な成分が活性化されます。
骨粗鬆症の薬は大きく3つに分類されています。
骨粗鬆症のタイプ、重症度によって薬は使い分けますので、医師にご相談ください。
ご自身やご家族の方で、骨粗鬆症の症状(背中や腰の曲がりや痛み、身長の縮み)が気になる場合は、一度当院までご相談ください。