関節リウマチ|神戸市東灘区の整形外科|ふくだ整形外科リウマチクリニック|整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科

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関節リウマチ

関節リウマチ|神戸市東灘区の整形外科|ふくだ整形外科リウマチクリニック|整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科

リウマチ科について

関節リウマチは、主に手足の指や手関節などの小さな関節の腫脹や全身の臓器に炎症をきたし、様々な症状が現れてきます。共通してみられる症状は関節の痛みで、関節が腫れたり、熱を持ったりすることもあります。膠原病の多くは原因不明の難病で、以前は完治の難しい病気とされてきましたが、近年は新たな薬の開発や治療法の進歩により、ほとんど症状がみられなくなる「寛解状態」を目指せる疾患もでてきました。とくに関節リウマチは、関節の変形と破壊を引き起こして徐々に進行していく病気ですが、早期の診断と生物学的製剤やJAK 阻害薬を中心とした適切な治療によって、関節の炎症も治まり、通常の日常生活を送ることができる時代になっています。関節リウマチは膠原病の中で最も患者数が多い病気です。関節痛が続く、起床時に関節がこわばる、手指・手首・足の関節に腫れがみられるといった症状があれば、ぜひご相談下さい。

このような症状の方はご相談ください

  • 関節が痛い・腫れる

    ・重い物を持ったりすると、手首がズキンと痛くなる

    ・階段の昇降で、膝がズキンと痛くなる

    ・ペットボトルのふたを開けるとき、手先がズキッと痛み空けられない

    ・ドアノブを回すと、手首がズキッと痛む

    ・フローリングの床を歩くときに足底が厚ぼったく感じて痛む

    ・くびが痛む

    ・指の第2関節(指先から2番目)や指の付け根に痛みや腫れがある

    ・手首、膝、足首の関節が腫れたり、痛んだりする

    ・指輪のサイズが大きくなった

  • 関節がこわばる

    ・起床してから10分以上、指がカチカチで動かない

    ・手がこわばっている感じがする

    ・牛乳パックが空けにくい

    ・足首がカチカチで、動かしにくい

    ・足が棒になったような感覚がある

    ・手の力が入りにくくなったり、しびれたりする

    ・関節の曲げ伸ばしがつらい

  • 関節が変形している
  • 倦怠感がある

    ・全身がだるくて力が入らない

    ・座ってなにかにもたれていたくなる

    ・身体が鉛のように重い

    ・眠気がありずっと横になっていたい

  • 目や口が乾く
  • 寒いときに手足指先の色調が変化する(レイノー現象)
  • 微熱が続く
  • くび・わきの下・そけい部などの腫れがある(リンパ節腫大)

関節の痛みや腫れは、年齢とともに起こる変形性関節症や変形性脊椎症に多く見られますが、関節リウマチなどのリウマチ性疾患が隠れていることもあります。少しでも気になる症状がございましたら、お早めにご相談ください。

リウマチ科で行われる検査・治療

・関節リウマチの検査には血液検査と画像検査があります。

血液検査

免疫関連 リウマトイド因子(RF)
抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)
MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ‐3)
炎症関連 CRP(C反応性タンパク)
ESR(赤血球沈降速度[血沈、赤沈])
貧血関連 赤血球
Ht(ヘマトクリット)
Hb(ヘモグロビン[血色素量])
血小板
リウマチ以外の病気と鑑別するもの 抗核抗体(ANA)

画像検査

X線検査(レントゲン検査) 基本的な画像検査で、関節や骨の状態を確認します。
MRI検査 骨の状態を高感度に確認でき、滑膜や関節の周りの筋肉や靭帯、軟骨といった骨以外の組織の炎症や腫れを確認することができます。
関節超音波(エコー)検査 関節の炎症をリアルタイムで確認することができます。骨の破壊も高感度にみることができます。

リウマチ性疾患に用いられる薬剤

  • 非ステロイド性抗炎症薬 
  • 副腎皮質ステロイド
  • メトトレキサート(MTX)などの従来型抗リウマチ薬
  • 生物学的製剤
  • JAK阻害薬

対象となる主なリウマチ性疾患

  • 関節リウマチ
  • リウマチ性多発性筋痛症
  • 乾癬性関節炎
  • 強直性脊椎炎
  • 反応性関節炎
  • 結晶誘発性関節炎
  • RS3PE症候群など

関節リウマチ

関節リウマチは膠原病の中で最も多い疾患です。免疫の異常により関節を包む滑膜に炎症が起こり、それが増殖し、骨や軟骨を破壊します。放置すると関節が破壊され、日常生活に支障をきたすこともあります。主な症状は、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどです。手足の指、手首に症状を認めることが多いですが、肘、肩、膝、足首などにもみられます。また、全身倦怠感や微熱、食欲低下などの全身症状や、皮膚(皮下結節など)、眼、肺など、関節以外の症状が出ることもあります。
近年、関節リウマチの治療は大きく進歩しており、骨および軟骨の破壊を積極的に抑える薬としてメトトレキサート、さらに骨破壊を強力に抑制する生物学的製剤やJAK阻害が導入され、寛解状態を目指せるようになっています。関節リウマチは早期の診断・治療がとても重要です。少しでも気なる症状があれば、ぜひ一度、受診ください。

リウマチ性多発性筋痛症

頸部(くび)、肩、腰部、大腿などに痛みやこわばりを生じる原因不明の炎症性疾患です。こわばりや痛みで「痛くて寝返りがうてない」「痛みやこわばりで起き上がれない」「肩や腕があがらなくなった」などの症状が現れます。典型的には高齢の方の発症が多くなります。関節痛は手指や足趾(足の指)などの小関節よりも肩や股関節などの大関節にみられます。全身症状としては発熱、全身倦怠感、食欲低下、抑うつ状態、体重減少も認めます。血液検査や画像検査により診断し、治療には副腎皮質ステロイドが主に使用されますが、場合によっては免疫抑制薬を使用することもあります。

乾癬性関節炎

尋常性乾癬、全身性膿疱性乾癬などの乾癬性皮膚疾患に末梢関節炎、脊椎炎、仙腸関節炎等を合併した状態で、関節や腱付着部、指に炎症をきたし、次第に関節破壊を引き起こす病気です。原因は不明で30〜50歳代に多く、男女比はほぼ同じです。日本人では乾癬の患者さんの10~15%に発症するといわれています。乾癬性関節炎では乾癬の皮膚病変や爪病変を多く認めます。乾癬は、髪の生え際や肘、膝、でん部などに多く出現し、発疹と、銀白色のフケのような鱗屑(りんせつ)を認めます。また、爪の病変も多く認めます。典型的な関節症状は手指の第一関節に起こり、関節の腫脹や痛みを認め、進行すれば変形を認めるようになります。治療は病気の活動性を制御して、関節破壊の進行を抑制しながら、日常生活の質を上げることを目標に進めます。皮膚症状に対しては、外用薬や光線治療なども行われますが、薬剤による治療も行います。関節症状に対しては、薬物治療が中心になります。

強直性脊椎炎

脊椎関節をはじめとする胸鎖関節、仙腸関節などの体幹部の関節と、手指関節などの末梢関節に炎症が生じる病気です。炎症性腰背部痛(安静で軽快せず、むしろ運動で改善する腰痛・背部痛)が脊椎関節症に特徴的な症状の一つです。また手指・肩などの痛みや腫れ、こわばりといった症状も伴います。発熱や倦怠感を伴うこともあります。比較的若い方の発症が多い病気です。進行すると関節が動かなくなり、「背中が曲がらない」「首が回りにくい」といった症状が現れます。できるだけ早い治療介入が必要な病気です。炎症性背部痛を疑う腰痛がある場合は、早めにご相談ください。

反応性関節炎

反応性関節炎は細菌性下痢症などの消化器の感染症や尿道炎などの泌尿器・生殖器などの感染症の後に生じる炎症性疾患です。以前はライター症候群と呼ばれ、関節炎、尿道炎、結膜炎が三徴とされていますが、これらの症状がそろわないこともあります。関節炎の多くは2~3ヶ月で自然軽快することが多いのですが、持続することもあります。下肢に多い非対称性の少関節炎(膝や足関節など)、腱付着部炎、腱炎、あるいは関節外病変として角結膜炎、ブドウ膜炎、結節性紅斑などが現れることがあります。治療は感染症に対する治療と関節・関節外症状に対する治療のふたつを考える必要があります。関節症状には初期は消炎鎮痛剤で治療しますが、症状が持続して慢性化する場合は、免疫調整薬や免疫抑制薬による治療が必要になることがあります。

結晶誘発性関節炎

尿酸やピロリン酸カルシウムの結晶が関節内に沈着することで起こり、全身のあらゆる関節に激しい痛みと腫れが生じます。通常は発作が起きるのは一度に1カ所だけであることが多いのですが、時には複数の関節に同時に起きることもあります。尿酸結晶により誘発される関節炎を痛風といいます。痛風発作の治療法としては、急性期には関節の安静・保護、炎症を抑える内服薬、関節ブロック注射などになります。痛風発作の予防としては、薬物療法と生活習慣の改善がメインとなります。生活習慣の改善としては、過食を控えプリン体を多く含む食品(肉や魚の内臓や干物、エビ)やアルコールを控えます。過度な運動は尿酸値の上昇を引き起こすことがあるため、ウォーキングなど、負荷の低い運動が勧められます。ピロリン酸カルシウム結晶により誘発される関節炎を偽痛風といい、急性期の治療は痛風発作とほぼ同様になります。偽痛風発作は、高齢者や変形性関節症を有する方に多く発症する傾向があります。

RS3PE症候群

RS3PE症候群は、比較的高齢者に発症する急激な手や足の圧痕性浮腫と対称性の多関節炎を主な症状とする疾患です。血液検査ではリウマトイド因子は陰性ですが、炎症反応の上昇を認めます。比較的少量のステロイドによく反応し、経過は比較的良好で、多くの場合寛解が得られます。通常ステロイドのみで治療経過はよくステロイドの減量・中止が可能ですが、一部に治療抵抗性である場合があって、免疫抑制薬が検討されることもあります。悪性腫瘍に伴って発症することがあり、難治性である場合には悪性腫瘍の鑑別が重要となります。