整形外科
整形外科
整形外科は、運動器を構成するすべての組織(骨、軟骨、筋、靭帯、脊髄、神経など)の疾患や外傷を治療する診療科です。打撲・捻挫・脱臼・骨折などの外傷、肩こり・腰痛・膝痛など日常的によくみられる身体の痛みや違和感を扱います。また、加齢に伴う変形性の骨・関節疾患や骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、運動器の腫瘍・先天性疾患などの診療も行い、その内容は多様です。リハビリテーション医学とも密接に関係しています。
当院では、小さなお子様からご高齢の方まで、すべての年齢層の患者様を診療いたします。体のどこかが痛い、事故でけがをした、しびれや痛みで手足が思うように動かせないといった症状や、運動器についてのお悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。
患者様のお悩みを親身になってうかがいながら、健やかでイキイキとした生活を取り戻すお手伝いをします。何でもお気軽にご相談ください。
手首の母指(親指)側にある腱鞘(けんしょう)と、その部分を通過する腱に炎症が起こった状態をいいます。腱鞘のところでスムーズに腱が動かなくなり、手首の母指側が痛んだり、腫れたりします。母指を広げたり、動かしたりすると強く痛みます。主に手の使いすぎが原因で、スポーツや仕事で指を良く使う仕事の人に多いのが特徴です。治療は、局所の安静、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法が主に行われますが、難治性の場合には手術加療も行われます。
中年以降、特に40-50歳代に多くみられます。肩関節を構成する部分(骨・軟骨・関節包・靭帯・腱板・滑液包など)にさまざまな原因で炎症が起き、肩関節の動きが悪くなります。
自然に治癒することもありますが、痛みが強く日常生活に支障がでたり、症状が長期化して時には数ヶ月にわたって痛みが続いたりすることもあります。また関節の動きの悪さを放置すると、関節が癒着して動かなくなることもあります。急性期にはまず消炎鎮痛剤の内服や外用薬、肩への注射などの治療で炎症を沈静化される治療を行います。急性期を過ぎてからはホットパックなどの温熱療法も行います。また肩関節の動きの悪さに対しては、早期からリハビリテーション治療が必要になります。
一般にぎっくり腰とも呼ばれています。突然起こる強い腰の痛みで、何かを持ち上げようとしたときや腰をねじる動作をしたときに起こることが多く、場合によっては動けなくなってしまうほどの激痛が現れます。痛みの原因は様々ですが、腰が動く関節部分や軟骨(椎間板)に許容以上の負荷がかかり、捻挫や椎間板損傷が生じる、腰の筋肉や腱・靱帯などの軟部組織の損傷、などが多いと考えられます。しかし、足に痛みやしびれがあったり、力が入らなかったりなどの症状がある場合は、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの病気の可能性もあります。通常ではない強い腰痛があったときは、受診して正しい診断を受けることが大切です。
症状としては腰やおしりの痛み、下肢のしびれや痛みが生じます。足に力が入りにくくなることもあります。治療は強い痛みがある時期は、安静を心がけ、コルセットを装着します。消炎鎮痛剤、坐薬、神経ブロック(炎症を抑える薬剤の注射)などで痛みを緩和します。痛みが軽くなれば、運動療法を行うこともあります。最近では内視鏡による低侵襲手術も広く行われるようになっています。
特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇跛行(かんけつはこう)です(長い距離を続けて歩くことができなくなります)。腰痛は強くなく、安静時にほぼ症状はありませんが、立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが生じて歩きづらくなりますが、前かがみになったり、腰かけたりすると痛み・しびれが軽減します。脊柱管狭窄症は、加齢、労働などによって変形した椎間板や、突出した骨、肥厚した靱帯組織などにより、神経が圧迫されることによって起こります。保存的治療はリハビリテーションやコルセット、神経ブロック、脊髄神経の血行を良くする薬物療法などがあります。保存的治療を行っても、間歇跛行や、痛み、麻痺などの症状が進行する場合には手術治療が必要になります。
関節症は使いすぎ、体重負荷、外傷などをきっかけに、軟骨磨耗が生じ、また炎症が併発して、変性が進行します。。このため膝関節や股関節などの体重がかかる関節での頻度が高く、重症化するとADL(日常生活動作)障害が大きくなります。病期が進行すれば、手術的加療が必要となるケースもあります。変形性膝関節症は、高齢者になるほど罹患率が高く、主な症状として膝の痛み・腫れは関節水腫(水がたまること)があります。軽度の場合、消炎鎮痛剤を使ったり、関節内にヒアルロン酸の注射をしたりします。また運動器リハビリテーションや膝を温める物理療法を行います。重症の場合は手術治療を検討します。関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。変形性股関節症は、初期には立ち上がりや歩き始めに足の付け根に痛みを感じます。進行するとその痛みが強くなり、持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)が出現するようになります。保存療法で症状の改善が得られない場合、骨切り術や人工股関節置換術が検討されます。
骨粗鬆症により背骨の強度が低下し、軽度の衝撃(しりもちをつく、くしゃみ、重い荷物をもつなど)で骨折を起こしやすくなります。また、そのような衝撃もなく、いつのまにか骨折していることもあり、骨粗鬆症の方は腰痛があれば、必ずレントゲン検査などを受けられることをお勧めします。脊椎圧迫骨折を契機にADLの低下を来すことも多く、脊椎圧迫骨折を起こさないために早期に骨粗鬆症を診断し、治療を回することが重要です。脊椎圧迫骨折の治療は、コルセットを装着したり、痛みを抑えるために消炎鎮痛薬を使用したりする保存的治療を行います。麻痺などの神経症状がある場合や、骨癒合が得られない(偽関節)場合などには、手術治療が必要になることもあります。
典型的には手や足の指の関節の腫れや痛み、朝のこわばりなどの症状が現れます。人によっては膝関節や股関節などの大きな関節にも病変が認められ、関節に水が溜まったり、動かしにくくなったりします。そして、次第に骨・軟骨などの関節組織が破壊され、痛みや関節機能障害のために日常生活に支障がでてきます。関節リウマチは全身性の病気なので、関節症状だけでなく、微熱、倦怠感、貧血症状などの多彩な症状が現れることもあります。関節リウマチは、病期が進行する前に、早期の治療が重要です。